兄のバイオリン

島村楽器のお題「楽器に関する思い出」

子供の頃、家には結構広いガレージがあって
それを散策するのが好きだった。

埃っぽいガレージには、オーディオセットや、
古いポーズ人形等の、生活に不要な物が収納されていた。

以前小物店を営んでいた親戚の、値札がついたままの商品等もあり、
漁れば何か珍しい物を見つけられる時もあって楽しかった。

ある日のこと、其処で古ぼけたバイオリンを発見した。
私はバイオリンなどという物は、てっきり金持ちの家にだけ存在するものだと思っていたので、少々面食らった。
母に聞くと兄が幼い頃に習っていた時のものだという。
バイオリンを習わせるなんて、長子にはやはりお金を掛けるんだなぁ
いやしかし妹もピアノを習っている・・・・

私だけ何にも楽器を習わせて貰ってない・・・

勿論、家の者で音楽家や演奏者になった人物はいない。
しかし親としては、手先の器用さや、頭が良くなるようにと願って
子供に習わせるのだろう

親が子供に投資してもその成果を回収出来るとは限らない。
回収の見込みの無い投資でも親はしなくてはならない。
しかしそれは兄弟平等にとはいかないね。
ま、その分今世話になってる(スイマセン)

もし、子供の頃私も、何か楽器を習いたいと言っていれば・・・
今よりは少し賢くなっていただろうか?